国際関係を見る方法には、様々なものがあります。いかなる部分に着目するかによって、または国際関係を見る立場によって、見解が分かれることは当然のことだといえます。私は、国際関係は基本的にこの見解の不確定さと多様性によって規定されていると考えます。国際関係の専門家の一部に、あたかも自分は現在の国際関係を予見していたかのように、もしくは将来国際関係はこうなるだろうと断定的に語る人がいますが、私はそのような意見に対して非常に懐疑的です。なぜなら、そのような人も各々の立場から違ったように国際関係を見ているのであり、決してあらゆる立場から、もしくは普遍的な立場から国際関係を見ることは出来ないからです。むしろ、国際関係とはまず初めに「どの立場から」ということが決まらない限り、語ることが出来ない。逆に言えば、国際関係についての見解は全て「いずれかの立場から」語られているといえます。国際関係を語る上で、一見普遍的・公平的に見える見解ほど、危険なものはないのです。各国の経済成長率は数字で表すことが出来ますが、その国の人々が一体どのような考えを持っているか、どれだけ幸せを感じているのかといったことは数字で表すことが出来ません。世界は、底知れぬ多様性に満ちているのですから。